負けない脳プログラム

 

 

まずは,メンタルの基礎作りを図っていく.

 

それはつまり,安静状態でのメンタルコントロールを指す.

 

安静状態でメンタルコントロールができなければ,当然,ストレス状態でのメンタルコントロールは不可能である

 

これは,基礎トレーニング応用トレーニングの関係性にあたり,段階的に行っていくことで本番でのパフォーマンス発揮につなげていく.

 

事前の「ストレスプロファイル」によるメンタル分析により,本番などのストレス状態における最適なメンタルコントロール法,意識の持ち方が選択可能となってくる.

 

プログラムは,自己の感覚を頼りにメンタルコントロールを目指す「セルフケア型プログラム」と,

 

心身の状態を可視化しながらメンタルコントロールを目指す「テクノロジー活用型プログラム」に分けられる.

 

可能であれば,メンタルコントロールの基礎となる呼吸法とマインドフルネスから構成される「セルフケア型プログラム」を是非身に付けていただきたい.

 

現代人は,次々と目まぐるしく飛び込んでくる,大量の情報に日々追われ,振り回され,自分自身をじっくり見つめるという行為を忘れてしまっている(専門的には客観視やメタ認知と呼ばれる).

 

それはつまり,常に意識が外界に向いており,自己の身体感覚,心身に対するモニタリング機能が著しく低下してきている.

 

こうした心身に対する自己モニタリング機能は,主に脳の島皮質や背外側前頭前野と呼ばれる領域が担っている.

 

実際,定期的な瞑想の実践により,これらの領域が筋トレにおける筋肉のように肥大していくことが多くの論文により明らかになってきた(Lazar et al., 2005).

 

テクノロジーを活用した脳波トレーニングなども,頼りになるのは自己の感覚や意識である.

 

もちろん,呼吸法などで脳波をコントロールさせるやり方もあるが,脳の強化学習システムを通じて,最終的には意識で脳波をコントロールさせる必要がある.

 

本番が始まってしまえば,呼吸法などでメンタルコントロールを行っている時間的猶予はない.

 

意識でメンタルコントロールができなければ,それは本番では全く役に立たないことを意味する.

 

こうした理由からまずは,「セルフケア型プログラム」から自己の心身感覚を磨いていただくと,よりその後のステップアップがスムーズとなる.

 

この段階での脳波トレーニングの目的は,意識による集中とリラックスの切り替えである.

 

はじめは感覚をつかむのが大変だが,定期的なトレーニングにより徐々に成績は向上していく.

 

その向上スピードに関しては,感覚の世界なので,個人差がかなりあるといえる.

 

別ページでも明記したように自転車にすぐ乗れる人もいれば,時間をかけてようやく乗れるようになる人もいるのと同様である.

 

慣れるに従い,徐々に自転車のコマを外すのと同様にマシーンからのフィードバックの量(情報量)を減らしていき,実践性を高めていく.

 

大抵の場合,集中とリラックスのどちらかが得意で,どちらかが苦手であり,最終的にそのバランスを調整を行い,次の本番を想定したストレス状況下でのトレーニングに備えていく

 

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